お口の健康を末永く守るための
予防歯科 PREVENTION
歯科治療は全診療科の中で唯一、人生を通じて長く関わっていく必要のある診療科です。お口の健康は、「食べる」機能だけでなく、全身の健康や寿命にも深く関係しています。研究では、歯が多く残っている人ほど死亡率が約30%低く、医療費も約38%抑えられることがわかっています。さらに、心疾患や認知症リスクの低減にもつながるとされています。
当院が目指しているのは、「痛くなったら通う歯科医院」ではなく、患者様の人生に寄り添い、「美味しく食べられる暮らし」や「健やかな毎日」を共に支える存在です。治療だけで終わらせるのではなく、定期的なメンテナンスで状態をチェックし、永くお口の健康を守っていくことを大切にしています。
定期的なメンテナンスでトラブルを未然に防ぐ
お口の清掃は、毎日のブラッシングやデンタルフロスなどセルフケアが基本です。しかし、どれほど丁寧に行っていても、歯と歯の間や歯周ポケットなど、歯科医院でしか届かない汚れやバイオフィルムが残ってしまいます。
これらを放置すると、むし歯や歯周病の原因となり、将来的なお口のトラブルにつながります。そのため、定期的に歯科医院でプロによるクリーニングを受けることが、健康なお口の状態を長く維持する上で欠かせません。
- EMS AIRFLOW
EMSエアフローによる
プロフェッショナルケア当院では、世界的に評価の高いEMSエアフローシステムを導入し、研修を受けた歯科衛生士がメンテナンスを行っています。EMSエアフローは、微細なパウダー粒子を水と空気の力で噴射し、歯の表面や歯周ポケットに付着したバイオフィルムや着色汚れを、歯を傷つけることなく除去できる機器です。
従来のクリーニングでは落としきれなかった汚れにもアプローチでき、短時間で処置が完了するため、患者様の負担軽減にもつながります。当院では、お口の健康を第一に考え、保険診療内でも積極的に取り入れています。
歯科医院での予防治療 Treatment Flow
ブラッシング指導 BRUSHING
写真や動画を活用し、患者様自身のお口の状態を視覚的に確認していただきます。染め出しによる磨き残しチェックを行い、ご自身の磨き癖を知った上で効率的なブラッシング方法を指導します。
歯周病治療
(ディープクリーニング/SPT) PERIODONTAL歯石や歯茎の内部にたまったプラーク(歯肉縁下歯石)を除去することで、歯周病の進行を防ぎます。処置中に痛みを感じる場合は、必要に応じて麻酔を使用します。SPT(歯周病安定期治療)は、歯周病治療後の再発を防ぐための定期ケアで、歯周ポケットの清掃や炎症のチェックを行い、健康な歯ぐきを長く維持することを目的としています。
通常は3〜6ヶ月ごとに行いますが、歯周病の進行度やセルフケアの状況に応じて、1〜3ヶ月ごとに行うこともあります。
PMTC PROFESSIONAL CLEANING
歯科衛生士が専用の器具を用いて行う、歯の表面や歯間の専門的なクリーニングです。セルフケアでは落としきれない汚れを除去し、むし歯や歯周病の予防につなげます。
栄養指導・生活習慣
アドバイス NUTRITIONむし歯や歯周病は、細菌だけでなく、日々の生活習慣や食事内容も深く関わっています。特に糖分の摂取回数が多いと、むし歯のリスクが高まるため、当院では食事のとり方や栄養バランスを踏まえたアドバイスを行っています。
PMTCについて
PMTCは「Professional Mechanical Tooth Cleaning」の略で、歯科医院で行う専門的な予防クリーニングです。歯の表面や歯間の汚れを丁寧に除去することで、細菌の増殖を抑え、むし歯や歯周病のリスクを低減します。
また、高濃度フッ素塗布を併用することで、歯の再石灰化を促し、歯質を強化する効果も期待できます。定期的に受けることで、健康な状態を長く保ちやすくなります。
ご自宅でのセルフケアが予防の第一歩 Self Care
正しいセルフケアは、むし歯や歯周病などの感染予防の基本となります。毎日の習慣として丁寧に行うことが、健康な口腔内を長く保つポイントです。
ブラッシング
歯と歯茎の境目の溝にたまるプラーク(歯垢)をしっかりかき出すイメージで磨きましょう。力を入れすぎず、やさしく丁寧に磨くことが大切です。毛先が届きにくい奥歯や歯の裏側も忘れずに磨きましょう。
デンタルフロス・歯間ブラシ
歯ブラシだけでは届かない歯と歯の間のプラーク除去には、フロスや歯間ブラシが欠かせません。
デンタルフロス
1本ずつ丁寧にこそぐように通し、歯の側面をしっかり清掃します。
歯間ブラシ
歯と歯の間に合わせたサイズを選び、外側・内側からそれぞれ5回ずつ前後に動かして汚れを取り除きます。
マウスウォッシュ
口腔内の細菌の増殖を抑え、口臭予防にも役立ちます。ブラッシングやフロス・歯間ブラシでの清掃に加えて、+αのケアとして取り入れると効果的です。
気になるお口のにおいも
歯科医院で対策できます
お口のにおいが気になるとき、その原因の一つに歯周病やむし歯が関係していることがあります。歯や歯ぐきの汚れ、歯周病の炎症、舌の汚れなどがにおいの原因となることが多く、自宅でのケアだけでは十分に取り除けない場合もあります。
中でも歯周病は歯ぐきや歯の周りの組織に細菌が感染して起こる病気で、初期には自覚症状がほとんどないため、気づかないうちに進行していることもあります。口臭を予防したい方、お口の臭いが気になる方はぜひ一度ご相談ください。
足立区成人健診の
指定医療機関です
当院は、足立区成人歯科健診・後期高齢者歯科健診・妊婦歯科健診の指定医療機関です。歯や歯ぐきの健康を保つことは、全身の健康維持にもつながります。定期的にお口の状態をチェックし、むし歯や歯周病の早期発見・予防に努めましょう。受診には足立区から送付される受診券が必要です。該当の方はお気軽にお問い合わせください。
妊婦健診はマイナス一歳からの予防 Prenatal
妊娠中は、ホルモンバランスの変化や悪阻によるブラッシング不足などにより、むし歯や歯周病にかかりやすくなります。特に歯周病は、炎症が体内に影響を及ぼすことがあり、胎児の成長や健康にも関わることがわかっています。
将来生まれてくるお子様のためにも、親御様自身の丁寧なお口のケアと知識が重要です。
赤ちゃんの歯と食育
生まれる前からの親御さんのケアや知識は、将来のお子さんの歯の健康に大きく影響します。当院では、妊娠中から赤ちゃんの歯と口腔環境について考える「マイナス一歳からの予防歯科」を推奨しています。
赤ちゃんの歯の健康づくりや離乳食の与え方など、親御様向けのサポートを行っています。歯が生える前からの正しいケアや食育は、将来のお子様のお口の健康を守る大切な第一歩です。
赤ちゃんへの離乳食の
食べさせ方
離乳食はただ栄養を与えるだけでなく、噛む力や歯の健康にも関わります。食べ物の硬さや与えるタイミングを工夫することで、正しい噛み方や歯並びを育てることができます。親御さんには、食べるリズムや量、口に運ぶ際の姿勢などのアドバイスも行っています。
赤ちゃんのむし歯の原因と予防
むし歯の原因は、歯に付着するプラークです。赤ちゃんは生まれたときにはむし歯菌を持っておらず、主に親や周囲の大人からうつることがあります。
- 生まれる前から親御さん自身のお口の健康を整えること
- 哺乳瓶や食べ物の与え方に注意すること
- 歯が生え始めたら、歯ブラシやフロスで汚れをやさしく取り除くこと
これらの習慣を妊娠中から意識することで、赤ちゃんのむし歯リスクを減らし、
健やかな歯の成長をサポートできます。
無意識のかみしめから
歯と顎を守る BiteGuard
日常生活の中で気づいたら顎に力が入り、歯をかみしめてしまっていることはありませんか。過剰な咬合力は歯や顎の痛み、歯の摩耗や破損、補綴物の脱落や肩こりや頭痛の原因となることがあります。
日常のくせや生活習慣に合わせて、適切な方法を組み合わせることでかみしめを予防します。
咬筋ボツリヌス治療
かみしめの力が強い筋肉に注射することで、かみしめや食いしばりによる過剰な力をやわらげ、歯の破損リスクを低減させ、歯や顎への負担を軽減させます。
筋電計による力の測定
かみしめる力を数値化して把握できます。
自分の状態をチェックできるため、改善へのモチベーションにもつながります。ナイトガード(マウスピース)
就寝中のかみしめや歯ぎしりから歯を守るためのマウスピースです。歯の摩耗や顎の負担を防ぎます。