顎の成長期を活かす
小児矯正治療 EARLY ORTHODONTIC CARE
子どもの矯正治療は、単に歯並びを整えるだけではなく、噛む力や口の周りの筋肉の発達、悪い癖の改善などを通じて、将来の健康な口元を作ることを目的としています。特に8歳までの時期は、顎や顔の成長に大きく影響する大切な期間であり、手術のリスクを減らすことや、自然な顔立ちの形成にも役立ちます。治療開始時期に迷う保護者の方も多くいらっしゃいます。歯並びやお口の状態はお子様によって異なるため、早すぎる、遅すぎると決めつけず、まずは当院までお気軽にご相談ください。
このような気になる癖は
ありませんか? Check
低位舌・舌癖
「さ・た・ら行」などの発音が不明瞭になったり、滑舌が悪くなることがあります。 舌の筋力不足が原因で、舌の先をスポット(上あごの正しい位置)につけることが難しい状態です。これにより、食べ物を飲み込むことが難しくなったり、いびきや顎のたるみ、上あごの発達不全の原因になります。
お口ぽかん(口唇閉鎖不全)
口の周りの筋肉が十分に発達していない状態です。むし歯、口臭、顔つきの変化(アデノイド顔貌)、歯並びへの影響、食べこぼしにつながります。
口呼吸
鼻ではなくお口で呼吸している状態です。顔つきの変化(アデノイド顔貌)、 歯並びへの影響がある他、異物を直接取り込んでしまうため、アレルギー発症や ウイルス感染しやすくなります。
指しゃぶり
長期間続くと歯並びや噛み合わせに影響を与えることがあります。特に前歯が 前方に傾いたり、出っ歯の原因になる場合があります。また、下顎や上顎の 発育バランスが崩れることで、将来的に咀嚼や発音にも影響することがあります。
乳歯列期(3~6歳) Deciduous
0期治療と筋機能の
サポート
この時期は、顎や顔の正常な発育を促すことが中心です。歯並びの土台を整え、悪い癖や習慣の改善や口腔周囲筋の機能を整えることで、将来的に矯正治療が必要になった場合でも、複雑な治療や負担の大きい処置を避けられる可能性が高まります。
整った歯並びになるための条件
良い歯並びを作るには、まず上下の顎の骨格のバランスが整っていることが大切です。また、歯の大きさと顎の大きさのバランスも重要です。歯が大きすぎたり顎が小さすぎると、歯がガタガタに並んでしまいます。これらの骨格や大きさの条件が整った上で、さらに舌と唇の力のバランスが取れていることが、良い歯並びになるための大きなポイントです。
歯は、スペースさえあれば自然に並ぶと言われています。この原理をバクシネーターメカニズムと呼びます。歯は内側から舌の力、外側から頬や唇の力を受けて、その均衡が取れた位置に自然と並びます。しかし、舌が前歯を押し続けたり、唇の力が弱くお口がぽかんと開いている状態では、歯並びは乱れてしまいます。このため、舌や口の周りの筋肉の使い方を整えるMFT(口腔筋機能療法)が非常に重要です。MFTによって正しい舌の位置や唇の力を習慣化することで、将来の歯並びを整えやすくなります。
口や舌の正しい使い方を
身につけるMFTトレーニング
(口腔筋機能療法)
MFTトレーニングの目的
- 口呼吸から鼻呼吸への改善
- 舌の正しい位置(スポット)への誘導
- 正しい嚥下の習得
これにより、歯並びの乱れやいびき、上顎の発育不全を予防できます。
当院で行っているMFTトレーニング Training
あいうべ体操をしましょう
お口を大きく「あ~い~う~べ~」と動かします。
※1回4秒ずつくらいゆっくりと、1日30回を目標に
「あー」と大きく
口を開きます
「いー」と口を大きく
横に広げます
「うー」と口を前に
突き出します
「べー」と舌を突き
出して
下に伸ばします
風船をふくらませてみよう!
唇の力を鍛えましょう鼻から大きく息をすって風船をふくらませてみよう
まずは指でおさえて
ふくらませてみよう
唇の力でしっかり
風船をくわえよう
リップマッサージもおすすめ反り返った唇をマッサージしてみましょう
舌の筋肉をきたえよう
お口を少し開き、舌の先で左右の口角を触ってみましょう!
その際、下あごを動かさず、舌だけ動かすことを意識しましょう!もうすこしやってみよう!!
- 01.
舌をとがらせて、口角におき、
反対側の口角に向かってゆっくり
上の唇の輪郭をなぞる - 02.
10秒で反対側につくようにする
左右5往復やってみよう
スポットトレーニング
スポット(切歯乳頭後方部)に舌の先をつけてみよう
ポッピング
- 01.
舌の先をとがらせてスポットにつける
- 02.
舌全体を上あごに吸い上げる
- 03.
舌を離して”ポン”と音を出す
舌全体を上あごにつけましょう
舌全体が
上あごについている
舌の先だけ
上についている
舌が丸まっている
- 01.
舌の筋肉をきたえよう
- 01.
口角をしっかり横にひいて
まずはスマイル! - 02.
口角を横にひいたまま軽く奥歯を
かみしめる - 03.
かみしめたまま唾をごっくんと
飲み込む
笑って
かんで
ごっくん
スマイル
クレンチング
スマイル
飲み込みましょう!- 01.
プレオルソによる “寝ている間のマウスピース矯正”
MFTトレーニングが難しいお子様には、プレオルソという取り外し式装置を用いた治療を行っています。
特徴
- Ⅱ期治療の回避や難易度を下げる
- 後戻りのリスクを軽減
- 口呼吸の改善や口の閉じやすさの向上
混合歯列期(5~7歳) Mixed
Ⅰ期治療の重要性
永久歯が生え始めるこの時期は、顎の土台を整え、歯列のスペースを確保するための非常に大切な時期となります。SH療法や拡大装置を用いて狭くなった歯列を広げ、永久歯が正しく並ぶ環境を作ります。顎の発育を促すことで、将来的な抜歯や外科治療を避けることが可能です。
どんなメリットがあるか?(Ⅰ期治療の目的) Merit
Ⅱ期治療の回避
100点満点の歯ならびでなくても、Ⅱ期治療が不要なレベルに仕上げる
Ⅱ期治療の難易度を下げることができる
抜歯・外科矯正の回避の可能性が高まり、治療期間を短くできる
Ⅱ期治療後の後戻りを少なくできる
Ⅱ期治療後の後戻りリスクを軽減し、安定した歯並びにつながる
永久歯列期(12歳前後) Permanent
Ⅱ期治療
ワイヤー矯正の活用
この段階では、0~I期治療で整えた土台(顎の大きさや筋肉機能)を活用し、ワイヤー矯正などを用いて個々の歯を詳細に整列させます。I期治療で顎を拡大し、もし若干のガタつきが残った場合にワイヤー矯正で整える方針をとることで、抜歯をしない矯正治療の可能性を高めることができます。
特徴
- 顎の拡大後に残った小さな乱れを整列
- 抜歯をせずに自然な歯並びに仕上げる