「マイナス2歳からの予防歯科」って知っていますか?

〜栄養が未来の健康をつくるという新しい考え方〜

先日、「マイナス2歳からの予防歯科」というテーマの栄養学セミナーに参加してきました。
少し不思議な言い方ですが、「マイナス2歳」とは 妊娠する2年前のこと を指します。

実は、妊娠中だけでなく 妊娠する前からの母体の栄養状態が、将来のお子さんの健康に影響する という考え方があるんです。
これは「ドーハッド仮説」と呼ばれていて、最近、医療分野でも注目されています。


◆ ドーハッド仮説ってなに?

簡単に言うと、

胎内での環境(特に母体の栄養状態)が、その子が大人になってからの体質や病気のなりやすさに影響する

という考え方です。

私自身も以前この言葉を聞いたことはありましたが、正直「そんなに影響するのかな?」と思っていました。
しかし、今回のセミナーでさまざまなデータや栄養学的な説明を聞き、深く納得しました。


◆ 栄養の話は“妊婦さんだけ”のものではありません

将来の子どもの健康のために「マイナス2歳」から栄養を整えることはとても大切です。
でも、これは妊婦さんや妊娠を考えている方だけの話ではありません。

私が強く感じたのは、

すべての人に、よりよく生きるための栄養の知識が必要だということ。

日々の診療でも、
奥歯がなくて噛みにくい、入れ歯が合わない、柔らかい炭水化物ばかり食べてしまう…
そんな生活から栄養不足に陥っている患者さんを多く見かけます。

歯科ができることは「虫歯を治す」「入れ歯を作る」だけではありません。
『どう食べるか』『どんな栄養が必要か』までサポートすることこそ予防歯科の役割だと感じています。


◆ “もう遅いのでは…”と思う必要はありません

セミナーを受けながら、自分自身の出産当時を思い出しました。

あの頃は栄養の知識も足りず、今思えば「なんであんな食事をしていたんだろう…」と思うこともあります。
同じように感じているお母さんはきっと多いと思います。

でも、大切なのはここからです。

「今からでも整えていけば大丈夫」
「未来のためにできることはたくさんある」

そう伝えられるだけの知識を持つこと。
そして、必要なときに患者さんに寄り添える存在であることが、歯科医療者としての役割だと感じました。


◆ 歯科は“食べる”の入り口

これからの予防歯科とは?

歯科医院は、ただ歯を治す場所ではありません。

  • 食べる

  • 噛む

  • 栄養を吸収する

  • 健康で生きる

そのすべての入口が“お口”です。

だからこそ、歯科から栄養の大切さを伝えることはとても意味があります。

私は今後、
「食を通して人生を整える予防歯科」 を広めていきたいと思っています。
患者さん一人ひとりが、自分や家族の健康を自分で育てていけるような、そんなサポートを続けていきたいです。